TRANSROTOR TOURBILLON FMDの構造説明。2013年3月15日(月)
2013年 03月 15日
TRANSROTOR TOURBILLON FMDは、まだお店に有ります。
せっかくなのでA&Mさんの了解を得て、構造の説明をさせて頂きます。

■TRANSROTOR TOURBILLONの駆動部です。
内部の構造はこの様になっています。
TRANSROTOR TOURBILLONは3つのモーターを使ってベルトで回しています。
※APOLLON TMDと言うモデルも3つのモーターで回していますが
APOLLON TMDは「モーターを外に別置きにしています。

■駆動部にアウターローターを載せて、その上からアクリルのベースをかぶせます。
駆動部とアウターローターをセットして、それにトーンアームを取付ければ、
その状態で既に高級アナログプレイヤーの状態になりますが、
その上からアクリルベースをかぶせています。
この時点で、すごく凝った作りであると言う事が判ります。
※アウターローターの中央付近に、丸いものが同心円状に10個並んでしますが
これはマグネットです。
※右下に見えるアルミ製の丸い物体はターンテーブルの軸受けです。

■駆動部とアクリルベースの部分を横から見たところ。
このアクリルベースは3点で支持されていて、
駆動部分からわずかに浮いているという状態になっています。
ですから、このまま電源部のスイッチを入れると駆動部分が回り出しますが
アクリルのベースとは一切接触していません。

■アクリルベースの穴にターンテーブルの軸受けをセットします。
この次点でも、ターンテーブル軸受け部はアクリルベースの穴に
はまりこんでいるだけで駆動部分とは非接触になっています。
※ターンテーブル軸受け部はアクリルベースに載せて有ると言う状態で
駆動部とは接触していない、つまり浮いている、という状態になっています。

■ターンテーブル軸受け部の拡大写真です。
軸の頂点にはセラミックベアリングがセットされています。
軸の根元にはオイル溜まりの様なものが有り、
その中に一定の量のオイルを注油しておきます。
※少し黄色く見える部分がオイルです。

■これがインナーターンテーブル、と言うかターンテーブルのベースになる部分です。
丸いものが同心円状に10個並んでいますが、これはマグネットです。
このマグネットが駆動部のアウターローターのマグネットと引き合って
非接触の状態でメインのターンテーブルを回転させます。
この構造と言うか回転の仕組みが、このプレイヤーの最大の特徴です。

■インナーターンテーブル/ターンテーブルベースの軸受け部内周に
螺旋状の溝が有ります。
インナーターンテーブルをセットするとこの軸受の下部が
ターンテーブル軸受け部のオイル溜まりに浸かります。
そしてメインターンテーブルが回転し出すと、
螺旋状の溝が軸の上部へとオイルを汲み上げます。
軸の頂点まで汲み上げたオイルは、
写真の軸受(金色のリング状の部分)に有る穴を介してオイル溜まりへと戻されます。
この様なオイルの循環経路が有りますので、
軸受けは常にオイルの油膜で中心を保持して回転する事が出来る訳です。
この構造が安定した回転を生み出しているのではないかと思います。

■インナーターンテーブル/ターンテーブルベースをセットしました。

■最後にアクリル製のメインターンテーブルをセットします。
これでプレイヤーの組み立てが終了しました。
※透明アクリル・メインターンテーブルのレンズ効果で
インナーターンテーブルの直径が大きく見えています。

■上から見るとインナーターンテーブルの実際の直径が判ります。
この様にTRANSROTOR TOURBILLON FMDは
ターンテーブルがターンテーブルを回すと言う様な構造になっています。
プレイヤー2台分の物量で回っているプレイヤーという言い方も出来ます。
下にセットした駆動部が非接触の状態で、
磁石の力を介してメインターンテーブルを回すという構造・・・・・、
良く考えたなあ、と思います。