LUXMAN 真空管式FM/AMチューナー WZ30 修理完了。
2013年 07月 07日
なんとも言えない趣の有る顔をしている製品なので、是非とも蘇らせてやりたい。
採算等は全く度外視、徹底的に修理をしてみる事にしました。
まず外観を綺麗にして、無線機に関してはこの人をおいて他にはない
と言う方に修理をお願いする事にしました。
そして2か月ぐらい経ったでしょうか。
修理が完了して戻ってきました。

■汚れてはいたものの、奇跡的にキズが無い状態だったので、
掃除をしたらかなり綺麗になりました。
なんと言うか、今では絶対に出来ない、と言う様な雰囲気を持ったフロントパネルです。
同調が合うと、左に見える丸いマークが回転すると言う、粋な方法を取っています。
ガラスパネルに印刷されている字体等も、他にはないデザインが施されている。
全ての部分にメーカーの意気込みが感じられます。

■天板もキズらしいキズは有りませんでした。
パンチングメタルの部分も綺麗です。
当時のウッドケースは、皆同じ様なスタイルですね。
マランツなどの製品が、如何に影響を与えていたかが分ります。

■修理をお願いしたS氏の、製品に対する愛情が伺えます。
頼んでもいないのに、中のパーツまでピカピカに掃除してくれていました。
こういうところから、物事に対する誠意と言うものが伺えます。
思えば、誠意と向き合って仕事をする『職人』は、ほとんど居なくなりました。
職人を必要としない今の日本の社会構造・・・・、何時かはしっぺ返しが来る事でしょう。
さてさて、用意が出来たところで、早速電源を入れて聴いてみました。
出てきた音は、想像よりはるかに太い音がしています。
マランツの10B等に共通する音の厚みが感じられます。
この頃のチューナーって、本当にまじめに作られていたんですねえ。
最近の、片手で持てるようなシンセサイザーチューナーなどとは全く別物です。
資料:(各方面からデータを引用させて頂きました)
LUXMAN WZ30 発売当初(1965年)の定価は¥59,500-
FMステレオチューナーの極限を目指して開発された高級FM/AMチューナー。
入力回路にはニュービスタを3本起用。
カスコード増幅回路を構成。
ステレオとモノラルの切換えは、自動モード切換装置を内蔵。
MPX回路にはスイッチング方式を採用。さらに、
MPX回路で分離された左右の信号を、そのまま取り出すのではなく、
さらに分離回路で、逆チャンネルの漏洩分を相殺するという方法をとっている。
中間周波トランスを採用した中間周波増幅回路を採用。
電波の中の雑音成分を切り取るリミッター回路はダブル・リミッター方式。
同調点のズレ防止の為、AFC回路(自動周波数安定回路)を搭載。
AFC回路の働きが弱い電波の同調を妨げるのを防ぐため、
AFC回路を解除させるスイッチを設けている。
AMチューナー部:高周波増幅回路を備えたスーパーヘテロダイン方式を採用。
フェライト・バーアンテナを内蔵、遠距離放送を受信する場合以外はアンテナ不要。
可変帯域型の中間周波トランスを採用しているため、
音質重視の広帯域と分離本位の狭帯域に切換える事が可能。
ビートを取り除くホイッスル・フィルターを搭載。
局局間雑音を取り除くためのミューティング回路を搭載。
FM/AM独立レベルコントロールを搭載。