LUXの SQ5B メンテナンス完了。
2013年 07月 19日
外観も内部も綺麗でしたので、オーバーホールしてみました。
やるなら徹底的に、と言う事で、
このアンプも、結局ほぼ総替え状態になってしまいました。

■このSQ5Bも、奇跡的と言える様な綺麗な状態で入荷しました。
入荷した時は、なんと、元箱入りの状態です。

■X’TAL入力が有ります。
この製品は1962年に発売されていますが、X’TAL入力なんて、懐かしいですねえ。
X’TALとは、圧電型ピックアップ(今で言うカートリッジ)の事ですが、
昔のポータブル電蓄などは、殆どこのタイプのピックアップが付いていました。

■天板も恐ろしく綺麗です。 無傷と言って良いでしょう。

■ボリュームやACコンセントなど、今でも入手できるものは出来るだけ交換。

■LUXの字体も古いですね。

■トランスやシャーシーも、掃除しただけです。
これだけコンディションの良い物は本当に珍しいです。

■メーターも正常に動作しています。 なかなかカッコいいですね。

■アナログプレーヤーもつないでみました。
肝心の音はと言うと、お聴きになったら、おそらくビックリされるでしょう。
とても半世紀以上前の製品とは思えません。
TANNOYのランカスターを鳴らしてみましたが、
思ったよりワイドレンジで、しかもぐっと前に押し出してくる音は凄いです。
6BQ5って、良い球なんだなあ・・・・・、今更ながらに感心しました。
懐古的趣味で聴く、と言う様な事は、全く考えなくて良いです。
このアンプは発売当初(1962年)35,100円でした。
当店のお客様がこのアンプを見て、
『いやあ懐かしいなあ、俺が初めて買ったアンプだよ』
『これは確か3万円ぐらいだったと思うが、その時の給料は1万円ぐらいだったぞ』
『高いなあ、と思ったが、勢いで買ってしまった覚えが有るなあ』
と言う様な話をされていました。
と言う事は、今の時代になおすと、大体40~50万円のアンプと言う事になりますね。
当時の物の価値観は今とはずいぶん違ったでしょうから、
実際はもっと高価なアンプに感じた事でしょう。
ここのところ古いLUX製品のオーバーホールばかりしていますが、
たまたまLUXの製品が続いただけです。
LUXの敬虔な信者、という訳ではありません(笑)。
しかしながら、やはり歴史の有るメーカーは良いですね。
この時代にこんなに良い音を出していたのか・・・・、
改めて創業者の早川迭雄氏に敬意を表したい。
資料。
管球式プリメインアンプ 。
出力 14W+14W /出力インピーダンス 4、8、16、32Ω
歪率 1%以下(出力14W時) 。メインアンプNFB 18dB
入力感度(出力10W、1kHz) Tape:3.5mV、MAG.:4.5mV
Tuner、X'tal:250mV 。
入力インピーダンス Tape、MAG.:50kΩ、Tuner、X'tal:1MΩ
S/N比(Volume max、Tone flat) Tape:54dB、MAG.:60dB
Tuner、X'tal:65dB以上
トーンコントロール 新NF型、±16dB
使用真空管
12AX7×3/6AN8×2/6BQ5×4/5AR4×1
電源 AC90~110V、50Hz/60Hz
消費電力 115W
外形寸法 幅390×高さ155×奥行290mm /重量 11.2kg 。