マランツ #10B メンテ完了。
2013年 08月 10日
修理依頼していたのは、高周波機器の達人、S氏です。
久しぶりに10Bを聴きましたが、やっぱり厚みの有る音がしています。
最近のFMチューナーなどを聴いていると、この音の太さを忘れてしまいます。
FMチューナーぐらい高級機と普及機で音の差が出る機器は無いのではないか、
と思うぐらいです。

■チューニングノブを回すと、なんと言うのか、オシロスコープの光点が移動します。
写真の状態の時は無信号時です。

■この状態になると、信号を拾っているのですが、ピッタリ同調していません。

■上の写真の状態から、更にチューニングノブを回すと、
同調点を過ぎて、反対側に光点が移動します。

■この状態で同調したと言う事になります。
写真の様に、ステレオ放送ならSTEREOの表示が光ります。
※ひとつ上の写真の状態は、同調点を通り過ぎている事になるので、
チューニングノブを少し元に戻します(反対に回す)。

■一番左のつまみをOUTPUTの位置にすると、
オシロスコープにリサージュ波形が映し出されます。
この波形が、45度の一本の線の様に映し出される場合は、モノラル放送です。
又は、センターで話しているアナウンサーの声になります。

■リサージュ波形が、膨らむような形になった場合は、ステレオ放送と言う事になります。
(あまりはっきり写っていなくてごめんなさい)
音ももちろんですが、この波形を見ているだけで、なんだか楽しくなってしまいます。
僕は、高周波について、あまり詳しくないので、
間違った事を伝えているかもしれませんが、修理を担当したS氏の話しでは、
こんな贅沢な回路のFMチューナーは他にはないらしいです。
むかしは、高1中3、とか、高1中4、という言い方をしていたのですが、
その意味は、高周波増幅1段、中間周波増幅3段、と言う意味なのです。
では、このマランツの10Bはどうなのかと言うと、
高2中6と言う回路構成になっているらしい。
どういう利点が有るのかと言うと、高2で感度が良くなり、
中6で選択度が良くなる、と言う事なんだそうです。
ただ、高2を採用すると発信しやすいので、普通は高1を採用していたらしい。
ちなみに、国産で高2は考えられない増幅回路なのだそうです。
アメリカと言う広い国土で、
色々な電波が飛び交う国だからこその回路構成なのではないか、と言う事です。