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日頃の体験のメモです。


by sound-pit
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ビンテージ・アンプなど、について。

最近ビンテージ・アンプなどの修理が色々入ってきて
喫茶部も修理作業ディスクも持ち込み修理の製品であふれています。


ビンテージ・アンプなど、について。_b0262449_19230327.jpg

■つい最近の喫茶部の店内です。
所狭しと製品が並んでいますが、店内に有る製品の半分ぐらいは修理品なのです。


当店を頼って修理に持ち込んで頂けるのはうれしいのですが、
持ち込んでいただいた製品の内部を見てみると、
もうこれは手遅れだろうと思うような製品も多く見受けられます。

1960年代の製品で既に50年、
1950年代の製品ともなると60年の時が経過していますので、
その間には当然メンテナンスで内部に手が入っているわけですが、
度重なる修理歴を経て正体不明のアンプになっているものも少なくないです。
その都度いろいろな人がいろいろな価値観で修理をしている訳ですね。

誠意を感じる修理の仕方をしてある製品もあれば
もう少し何とかならなかったのかと思える修理の仕方をしている製品も有ります。

もう、オリジナルあるいはオリジナルに近い部品が枯渇してきていますので
元通りにする事は叶わないにしても、もう少し元来の音に近くなる部品で
直せば良いと思うのですが、中には音の面影を留めていない製品も有ります。

お面だけマッキントッシュC22で中身は別物、
と言っても良い様な製品も見受けられます。

そのような製品を元に近い状態に戻すという事はかなり大変な事なのです。
仮にメンテナンスが出来たとしても
そのメンテナンス料金はなかなか理解されないでしょう。




マッキントッシュのC22はどんな音がしていただろう。
MC275はどんな音がしていただろう。
マランツのモデル7ってどんな音がしていただろう。
TANNOYとマランツ・モデル7の組合わせって、どんな音がするのだろう。
皆さんそう思いながらビンテージ製品を買い求めているのではないでしょうか。

しかし、どういう音をマランツ7の音と言うのか、
マッキントッシュ・MC275の音と言うのか、
その辺の尺度がさっぱり分からなくなってしまっているのが
最近のビンテージオーディオ製品なのだと思います。

憧れの製品を手に入れてみたが、こんな音だったのか・・・・、
そう思われて手放された方もいらっしゃるでしょう。
それぐらい何が何だか分からなくなっている製品が多いのです。

しかし、これは修理する人だけに責任が有る訳ではなく、
買う側のお客さんにも問題がある様な気がします。

本来ならこういう修理をしたいところなのだが
そこまでやったら掛かる修理代金が理解されないだろう、
誰が決めるという事も無く相場というか市場価格というものも有るし、
それを考慮したらこのぐらいの修理にとどめておくしかないだろう、
というのが修理する側の妥協点になるのだと思います。




僕がいつも思う事なのですが、
ビンテージ・オーディオ製品に何を求めているのでしょうか。
有名な製品が欲しいだけなのですか、
本当のその製品らしい音を求めているのですか、
もう一度考えて頂きたいのです。

1960年代、当時の人がどういう音を聴いていたのだろうか。
当時のオーディオメーカーはどんな音を出していたのだろう。
真摯に向かい合って音を聴いていただきたい。

当時の人はこんなに良い音を聴いていたのか・・・・、
本物の音を聴くとたいていの人が驚かれます。


しかし、しっかりとしたメンテをしてその音を出してやろうと思っても
今となってはそれに見合う個体が無くなりつつあります。

中には修理しようにもその後の寿命が懸念される製品も出てきています。
メインアンプなどに至っては、
既にトランスの絶縁が怪しいものも出てきています。
半世紀も経っている製品なのでそれはもう仕方が無い事なのでしょう。




そんなこんなで、
とにかく市場にはまともな製品が少なくなってきています。
ですので、なにがなんでもビンテージアンプ・・・、
じゃなくても良いと僕は思います。

これは価値観の問題ですので
どちらを選択されるのかはお客さんの考え方次第なのですが
現行で販売されている真空管アンプなどをうまく組み合わせて
ビンテージスピーカーの音を楽しみむと言う方法も有りなんです。

例えば、現在のマッキントッシュC22復刻モデルと
MC275Ⅵ、またはMC75復刻モデルの組み合わせも有りです。




ビンテージアンプを
いつ壊れるかヒヤヒヤしながら使うと言うのもどうなんでしょうか。

壊れたら壊れたで、その時にはそれ相当の修理代金が掛かります。
それだけの覚悟が有るなら別なのですが
そうでないなら無理にビンテージアンプを使う事もないと思います。








by sound-pit | 2016-04-24 21:32 | ヴィンテージオーディオ・喫茶部