メンテしたはずの TEAC・505R でしたが
またご機嫌が斜めになってしまいましたので
再度メンテナンスをしました。
どの部分の調子が悪くなったかというとコントロール系です。
この時代のテープデッキはACモーターで回っていて
コントロール系はリレー回路なので修理が可能です。
今回の不調個所も突き止めることが出来たら簡単な理由でした。
■TEAC 505R の背面です。 アンプは真空管回路になっています。
調べてみたらこの機種は1960年の製品でしたのでもう既に50年以上前の製品という事になります。
動いていること自体不思議なぐらいですね(笑)。
■MADE IN JAPAN の字が誇らしげです。
このころの日本人の自信はどこへ行ってしまったのでしょうか。
■6X4という真空管です。 なんと整流回路が真空管式です(笑)。ヒーター回路にはハムバランサーが付いています。
■こんなに古い製品が健気に動いているというだけで感動です。
■TEAC 505Rで再生してみました。
レコードでもない、CDでもない、テープ再生でしか得られない独特の音楽を聴く事が出来ます。
或る意味レコードやCDを超えたところにある音楽という気さえします。
とてもシームレスで滑らかで浸透力が有って、
ふわっとした音場が広がります。
前にご紹介したTEAC R340は聴いた瞬間ハッとするぐらいの説得力がありました。
でもこの505Rはちょっと違います。なんとも言えない心地よい音なのです。
音楽とは一体何なのでしょうか。
こんな古くてローテクな製品からどうしてこういう音が出てくるのか・・・。
このデッキの再生帯域幅はどれだけなのか、S/Nはどのくらいなのか、そんな話はどうでもよい様な世界が広がります。
考えてみればもともとテープに収録された音をレコードにしたりCDにしたりしている訳ですからテープの方に優位性が有って当たり前なのかもしれません。
もちろんテープなら何でも良いという訳でもありません。なかにはたいした音のしないテープもあります。たくさん買ったテープの中から気に入ったテープを見つけるという行為はアナログレコードの世界と一緒なのです。
再生するテープデッキだってなんでも良いという訳ではないです。素性の良いデッキで、ちゃんとしたメンテをして、初めて生きてくるんです。もともと全体にヤレが出た製品などはどんなにメンテしても蘇りません。