このたび、STUDERのB62の極上品が入荷しました。
これで現在の喫茶部には
STUDER/B62とNAGRA/IV-SとTEAC/R6000が揃った事になる。
こんな機会はめったに無いので色々聴き比べをしてみました。
■STUDER/B62とNAGRA/IV-S。 見るからに好対照な製品です。

■STUDER/B62とNAGRA/IV-Sは放送局で使われていたと思われる2trマスターテープで比較試聴。

■TEAC/R-6000は4trリバースデッキですので市販のミュージックテープを聴いています。
ここにTEACのR340とかR310(2tr38㎝機)が有ったらもっとおもしろかったですねえ。
■STUDER/B62のヘッドです。
このデッキは元の持ち主があまり使っていなかったので最初から付いていたHEADなのにほとんど減っていません。
■NAGRA/IV-SのHEADです。
このデッキも元の持ち主があまり使っていなかったのでHEADはほとんど減っておりません。
■TEAC/R-6000のHEADです。
このデッキもオリジナルのHEADが付いていてほとんど減っておりません。
この頃のHEADは樹脂などで固められているのではなく裏から見るとコアが見えるタイプなんです。リード線もHEADから直出しになっています。この後から小型高性能のパーマロイHEADに代わっています。
しかしこの時代のHEADの方が大らかな音がするんですよね。
■こうやって全く違う成り立ちの3台のHEADを比較すると面白いですね。
このなかでTEACのHEADだけ少し尖っているというかHEADのカーブが違います。
このHEADの形状がTEAC独特のサウンドを作り出しているのか。
サービスマン時代にTEACのデッキは良く修理していましたがコンターエフェクトと言う低域周波数特性のうねりが出ていました。
言ってみれば低域に癖が有るという事なのですが良い方に解釈すればこれがオープンデッキの音というものを作り出していた様に思います。
力強く豊かな音、これが当時のオープンデッキの音の記憶です。
某メーカーの製品はその低域特性を見事にクリアして素晴らしい周波数特性を示していました。
でも、聴いてみると何の特徴も無いというかつまらない音に聴こえていました。
音というものは本当に面白いものです。
■肝心の3機種の音の特徴です。 ※STUDERとNAGRAは2trマスターテープ TEACは4trのミュージックテープですので 正確な比較にはなりませんのでご承知おきください。
STUDER/B62。一言で言うとごっついサウンドです。安定感と言うか安心感と言うかそれを感じさせる音ですね。
NAGRA/IV-S。あたりのやわらかいサウンドです。ワイドレンジ感はこの機種が一番良い感じ。クラシック音楽はこのデッキが良いかも。
TEAC/R6000。真空管アンプらしい音と言うか滑らかなでつややかなサウンドです。音の押し出し感はSTUDERとNAGRAの中間ぐらいと言う感じ。
■3機種聴き比べて思う事はTEAC/R6000もなかなかやるなあという事です。
1960年代前半にこんな製品を作っていたのかと思うと感慨深いものが有ります。
日本も良い時代だったのですね。
■それにしても、40年から50年も前の製品が今でもちゃんと動作するというのはすごい事です。
■今回入荷したSTUDER/B62ももちろん販売しております。
是非ご来店の上、製品をご確認ください。