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YL音響・オーケストラを聴いて思う事。
2020年 07月 18日
久々のブログ更新です。
あるお客様からご指摘が有りましたので気を引き締めてブログ更新をしていこうと思っております。
言い訳けになってしまうのですがコロナ自粛から修理品とかメンテナンス・調整とかそういう製品が山ほど入ってきて対応に追われておりついついブログの更新がおろそかになっておりました。
それもようやくひと段落したところでありますのでまたぼちぼちとブログを書いて行こうと思っております。
こういう事態になって色々と大変かとは思いますが今一度立ち止まって自分の趣味と向き合って生活に潤いを戻すと言うのも良い事ではないかと思っております。
それでは、ここ1,2か月のお店の動きを書いて行こうと思います。
■YL音響・オーケストラ。
すべてのメンテナンスが終了し最終調整も終えてすでに納品は完了しておりますがこのスピーカーを通じて
色々な事を勉強させていただきました。
私でさえこのシステムを聴くのは初めての事。ネットで検索してもこのタイプのオーケストラは見つからなかった。
中高音ホーンとツイーター部が上に有るのは見たが真ん中付近に有るのは初めてです。
本当に珍しいスピーカーなんですね。
■結局のところ、ネットワークの修理から、キャビネットの修理から、ドライバーのメンテから、ほぼフルコースでメンテしたのですが、ここまで徹底して修理した理由は、お買い上げのお客さんの指示が有った事はもちろん、どういう音が出てくるのだろう、YL音響さんはどういう音を目指していたのだろう、と思ったからなのです。
そして最終的に出てきた音はと言うと、口では言い表せない、この時代のものじゃないと出せない音だったのです。
このスピーカーは色々資料を集めてみたところ昭和40年前後の製品です。
この時代にすでにこんな音が出ていたのかと思うと感慨深いものが有ります。
すごい事だと僕は思います。
■サミー・レミントン・クインテットのCD。
これは1980~81年代の録音ですが木管楽器の質感、バンジョーの音、バスドラの音、なにをとっても実に良い雰囲気で聴かせてくれます。
バンジョーの音はすごく素朴な音がして良い。胴の音もしっかり出てきます。クラリネットの木質感みたいな音のふくらみが良い。バスドラの奥から押し出してくるような低音、そして切れの良い低音、ついつい聴き込んでしまいます。
■ラフマニノフ ピアノ協奏曲 第2番。反田 恭平(ピアノ)。アンドレア・バッティストーニ(指揮)。RAI国立交響楽団。
このCDは僕のお気に入りなのですが、ピアノの沈み込む様な低音の響き、深々としたオーケストラの響き・・・・、YLのオーケストラは絶妙なバランスで聴かせてくれます。
なんと言ったら良いのでしょうか、このYL音響・オーケストラを聴いて思う事はアナログの時代に育った人間にしか創れない音なのではないかと感じるのです。
穏やかな音、たおやかな音、それでもって凛とした音、折り目正しい音の姿、なんとも言えない場の雰囲気感、そういうものを感じます。
■やっぱり時代時代の音が有るというかアナログ楽器の音を聴いてきた年代の人たちが作った製品は音の出方が違います。
その逆で、打ち込みとか、サンプリング音源、などと言われる音源を聴いてきている世代の人は、やはり音を聴く基準が違うはず。
YL音響のオーケストラで最近の音楽を聴いたらおそらく、ナローな音、古臭い音だなあ、と思う事でしょう。
それ以前に、最近の音楽に含まれている低音をYL音響のオーケストラにに放り込んだらスピーカーが悲鳴を上げるかもしれません。
でもアナログ楽器の音源を鳴らすとYLのオーケストラはとても素晴らしいのです。
■最近よくある事は、アナログプレイヤーの音を聴いて『CDの様に良い音がしますね』と言う意見が多いという事。
もちろんお若い方たちの感想なのですが僕ぐらいの歳の人間がその言葉を聴くとえ! っと思ってしまいます。
僕たちの世代はいかにアナログレコードの音に近づけるかという事で色々試行錯誤してきたはず。
色々な専門誌でもCDプレイヤーの評価において、『よりアナログに近くなった』と表現していた時代もあったはず。
CDプレイヤーが世に出だしたのは1980年代。という事はその頃に生まれた方たちは現在35歳前後。1980年代半ばで10歳だった人は45歳前後。
となるとCD の音が基準になるのは当然の事。僕の年代の人間とは判断基準が違うのです。
音って、何を基準に決めたら良いのでしょう。すごく難しい問題ですね。
古い音源から新しい音源まで、一台のスピーカーで全部鳴らし分けられたら良いと言うのが理想なのかもしれないですがそうはいかないのがオーディオです。