エクスクルーシブ Ｐ３ チェック。

回転がおかしくなるという症状でお預かりしたエクスクルーシブのＰ３。
こちらでは症状が確認できなかったのでとりあえずお持ち帰りいただく事にしました。
闇雲に修理してもどこかに傷をつけたり苦労したのに結局直っていなかったという事になりかねないので今回はそのままお返しすることに・・・。
しかし、ただお返ししるだけではなくお返しする前に確認の意味でアームなどの点検をしてみました。



■針圧調整ダイヤル。まずここをゼロにします。
このＰ３はダイナミックバランスアームです。



■メインウエイトを前後スライドさせてゼロバランスを取ります。
針先が当たっていないのを確認。






■針圧調整をしてみる。
ダイヤル目盛りと実際の針圧はほぼ一致していました。





■アンチスケーティング調整ダイヤル。
とりあえずはゼロにしておいてレコードを聴く直前に調整すれば良いです。




■トーンアーム上部のダイヤルはオイルダンプの調整。
このオイルダンプ機能はどのメーカーのアームにも付いていると言う訳ではないので初めて見る方もいらっしゃると思います。
このオイルダンプも人によっては無い方が良いと言う意見も有りますが今回はとりあえず１の位置で調整を進めてみます。




■カートリッジの角度をチェック。
下（ターンテーブル上）に化粧用でも良いので小さな鏡を置いてその映り込みを見てみます。
この映り込みが直線であればカートリッジは垂直に取り付いているという事になります。
どちらかに傾いていると『〈 』　あるいは　『 〉』と言う様に映り込みますので分かります。





■外周、内周、でのトラッキングエラーをチェック。
どちらでもトラッキングエラーが最小になっています。

ここで分かる事は、このプレイヤーはアームの設計もSMEの考え方に準じているのではないかと思います。
２か所でトラッキングエラーが最小になると言う考え方でトーンアームの長さもオフセット角も決めていると考えられます。



■カートリッジの取り付け位置が決まりましたのでここでしっかりと固定します。
アームと言うかシェルに対して平行に取り付いているか再度確認。




■回転の確認。
３３回転で正確に回っています。




■レコード面に対してトーンアームがほぼ平行になっているかどうかチェック。
チェックはレーザー水準器を使っていますがもちろんプレイヤー本体そのものが水平に設置されている事が前提になります。


■トーンアームの平行について。
諸説ありますが平行にしておけば調整が大外れになる事は無い、という事なんだと思います。
適正針圧でトーンアームを平行にセットすれば針先がレコードに接する角度もほぼ設計通りになるという事です。
あとは音を聴きながら微調整すれば良いと僕は考えています。


■以上、プレイヤーをお客様にお渡しする前のチェックは完了です。